「ロサンゼルスでの1か月インターンシップ」
GMS学部 井上理沙
井上さんは、米国ロサンゼルスの旅行会社でのインターンシップに参加してきました。海外におけるオフィスワークは、そこで使用される言語に加え、社会人としてのビジネスマナーや責任感等、学生にとっては学ばなければいけないことが多く、簡単ではありません。しかし負荷が高い分、参加者の成長も大きいはずです。そのようなプログラムに参加した井上さんは、そこで何を考え、学んだのでしょうか?
以下は、井上さん自身による、研修記録です。ぜひ、最後まで読んでみてください!
1、研修内容について
私は、2月1日から26日までの26日間、インターンシッププログラムに参加しました。研修地域は、アメリカ合衆国のカリフォルニア州ロサンゼルスです。Study AbroadⅠの講義でも説明をしてくださった、ライトハウスというエージェントのプログラムでした。
(1)「ビジネスプログラム」について
ロサンゼルス到着後の5日間は「ビジネスプログラム」という様々な行事に参加し、インターンシップやロサンゼルスについての知識を深めます。またその間、現地の大学生と将来の夢について語り合ったり、現地で働く日本人とお話をしたりして、貴重な経験ができました。「ビジネスプログラム」中のスケジュールは以下のとおりです。
6:00 | 起床 |
7:00 | 朝食 |
8:00 | プログラム開始 |
18:00 | 終了後、ホテルへ |
18:30 | 近所のモールで買い物や夕食 |
22:00 | ホテル着 |
23:00 | シャワー、翌日の準備 |
24:00 | 就寝 |
(ビジネスプログラム2/1-2/5)
(プログラムの一環で訪れたGrand Central Market)
(5日間共に行動した2班メンバーと)
(2)企業研修について
ビジネスプログラムを経て、その後は各自企業研修に移行します。私が今回お世話になった企業は、Nippon Travel Agency America, Inc. 日本旅行ロサンゼルス支店です。配属された部門はインバウンド部門で、日本から主に観光を目的として渡米してくるお客様を対象として、企画、販売、代理手続き、等を担当する部門でした。日系企業であるため、社員の皆さんは現地在住の日本人がほとんどでしたので、社内では基本的に日本語を使うことができました。
私が研修中に取り組ませていただいた仕事は、主に2つでした。1つは、これから渡米予定のお客様の情報を、会社のデータベースに入力していく作業です。もう1つは、団体客利用が可能な現地の店に電話をかけて、情報収集を行うことでした。後者の仕事は現地の人と電話でやり取りをするので、当然英語を使用します。私はそれまで、電話上での英語のやり取りはあまり経験がなく、不安でした。そうした私の不安を察したのか、研修が始まってからの数日間は、周りの社員の方々に大変助けていただきました。そのおかけで、不器用なりになんとか業務をこなすことがきたのかなと思います。
また上記2つの仕事に加え、一度だけ、観光で渡米した日本人観光客のツアーに同行するという経験をさせていただきました。ツアーガイドの方がどのように時間配分を考えているのか、どのルートを通っているのか等、運営サイドの視点でツアーを観察することができたことは、大変貴重でした。
企業研修中のスケジュールは以下の通りです。
6:30 | 起床 |
7:00 | 朝食 |
7:20 | バス通勤 |
8:00 | Walmartやスタバへ |
8:45 | 出社、メールチェック |
9:00 | データベース入力 |
12:30 | 昼食 |
13:30 | 電話応対 |
17:30 | 退社、バス停へ |
18:45 | 帰宅 |
19:00 | 夕食 |
20:00 | テレビ鑑賞 |
21:00 | シャワー |
22:00 | 翌日の準備、振り返りなど |
23:00 | 就寝 |
(企業研修2/7-2/24)
ホームステイ先の家から会社までは、バスで通いました。アメリカ、特にロサンゼルスは車社会が発達していてほとんどの家庭は自家用車を持っているので、バスを利用する客層は低所得者や学生などが多かったのが特徴的でした。
(電話応対のメモ)
(ツアー同行で訪れたサンタモニカ)
2、現地での生活について
(1)ビジネスプログラムでの宿泊場所と食事
「ビジネスプログラム」の5日間は、コンドミニアムのようなタイプのホテルで他の参加者とともに過ごしました。(※写真参照)朝食のみサービスに含まれていたので、夕食は近所のモールの中にある中華料理店やカレー屋などに行きましたが、どのお店の店員の方もとても優しくフレンドリーな接客をしてくださりとても楽しかったです。
アメリカに到着してからまだ日が浅かったため時差ボケがひどく、遅くても24時には全員寝ていました。
(ルームメイトと外食)
(宿泊したコンドミニアムタイプのホテル)
水不足のアメリカならではと感じたのが、シャワーの水についてです。ホテルのシャワーは使い始めはお湯がでますが、出しっぱなしを防ぐために、途中から冷水に切り替わります。ロサンゼルスの2月とはいえ夜は冷えるので、使い過ぎないようにしようと心がけました。
(2)企業研修の際のホームスティと食事
企業研修に切り替わった後は、ホテルを出て、ホームスティを行いました。私がお世話になったファミリーは、子どもはおらず、70代60代のホストペアレンツと、犬が一匹いるご家庭でした。かなりご高齢のホストペアレンツということで、どうなるのかと思いましたが、いざ会ってみると年など全く気にする必要がない程、お二人とも元気でパワフルでした。お二人は、数年前から日本人の学生を受け入れていて、彼ら自身も何度か旅行で日本を訪れるほど、日本について興味があるようでした。そのため、3人で日本について様々な話をすることができました。また私に時間がある時は、テレビ番組や映画を一緒に観たり、一緒にモールに買い物に連れて行ってくれたりなどしました。
二人は、平日は仕事に疲れて帰ってくる私のために、おいしい夕食を準備して待っていてくれ、毎日違う種類の夕食を食べることができました。ある時は、うどんを出してくれたことがあります。また彼らは緑茶のティーバッグを持っていて、おかげで毎日緑茶を飲むことができました。
(お世話になったホストファミリーと)
(3)休日の過ごし方
休日は、今回のプログラムで同じグループで活動した人たちとアナハイムのディズニーランドへ行ったことが、良い思い出です。海外のディズニーランドは初めてでしたが、日本のものと違う点も多くあり、とても楽しく過ごすことができました。
また、ホストマザーと一緒におにぎりを作ったことも、懐かしく思い出されます。ホストマザーが、もともと「キャラ弁」の存在を知っていて、それを作ってみたいということだったので、簡単におにぎりを作ってそれにさまざまな具材でデコレーションをしてみようということになりました。まず、二人で日本食のスーパーで梅干しやツナ缶などの具材を買いこみました。そして、おにぎりの作り方を覚えたいというホストマザーが、私がおにぎりを握る様子を動画に撮った上で、一緒に装飾を楽しみました(驚いたことに、お米もホストファミリーの家にありました!)。ホストファザーも時々参加しながら、3人でできあがったおにぎりをおいしく食べました。
さらに、1人で市内観光に行ったこともあります。最近、UBERという配車アプリがアメリカなど海外では流行っていて、その存在をプログラムのオリエンテーションで知ったので、私も観光にそれを利用しました。UBERを利用して家からハリウッドに向かい、そこで観光したあと、バスでUCLAに行きました。1人ということだったので、いつも以上に警戒心を持って行動するよう心がけました。幸い、事故や事件に巻き込まれることもなく、無事に帰ってくることができました。
(アナハイム ディズニーランド)
(休日にホストマザーと作ったおにぎり)
(1人の市内観光で訪れたUCLA)
(配車アプリUBERの実際の使用画面)
3、研修を通じて学んだ点や成長できた点
(1)学んだ4つの点
今回の研修を通じて学んだ点は、4つありました。「(1)責任の伴う環境での英語使用」、「(2)人との出会いの大切さ」、「(3)確認作業の大切さ」、「(4)考えるより行動」、 以上の4点です。
「(1)責任の伴う環境での英語使用」については、企業研修を通じで学びました。例えば、留学で語学学校に行ったとしても、そこで英語を使わずに困るのは大体のケースにおいて自分です。しかし企業研修では、大げさな話ですが会社の顔として電話をかけてやり取りをしているので、責任が伴います。今まで自分が英語を使うことに責任が生じるという状況になったことがなかったので、そのような環境におかれた場合どのようにふるまえばよいのかということを体験できたと思います。
「(2)人との出会いの大切さ」は、プログラム全体を通して学んだことです。ビジネスプログラムでは、現地で働く日本人と話す機会がありましたが、本当に多くの有益なお話を聞くことができました。またこれらの方々とは、研修終了後も、FacebookなどのSNSを通して、連絡を取り合えることになりました。私は、ホストファミリーや企業研修でお世話になった社員の方々など、本当に人に恵まれた環境で研修を行うことができたと考えています。今回得られたネットワークは、今後も活かすことができるようにしたいと思います。
「(3)確認作業の大切さ」については、企業研修中に学んだと思うことです。情報をデータベースに入力する作業があったと既に述べましたが、私が作成したデータベースは、社員の方にチェックを受けます。その際に何度か、社員の方から打ち間違いがあったと指摘を受けました。集中力の欠如と確認作業の怠慢が原因だと深く反省し、そこからは何度も自分自身でチェックをするように心がけるようになりました。すると段々とミスが減るようになってきたので、確認作業の重要性について身をもって学びました。
「(4)考えるより行動」は、今回のプログラム参加を決めたことを含めて、プログラム全体を通して学んだことです。頭で考えることは誰だってできるけれど、実際に行動してみないと分からないこともあります。まず、参加を決めて実行に移したことで様々な経験を積むことができたと思っていますし、研修中に行動を起こして後悔したことが一度もありませんでした。この研修を通じ、行動することの大切さを学ぶことができました。
(2)成長できた点
研修を通じて成長できた点としては、1人での市内観光などを通して見知らぬ土地でも単独行動ができたこと、そして積極的な姿勢を維持することができたことではないかと思います。人に頼るばかりではなく、自分自身で物事を考えて問題を解決し行動することを、渡米する前とした後とでは、後者の方がかなりできるようになったと思います。
また、積極的な姿勢は、もともとそこまで消極的というわけではありませんでしたが、やはり主張の強いアメリカ人の多い環境では、まだまだ自分の積極性は足りないことを痛感しました。そこで、少しでも弱気になる隙を作らないように、常に能動的・積極的に行動するように心がけられたことが、成長できた点ではないかと考えます。
4、反省点
反省点としては、第一に事前準備不足が挙げられます。予定ではTOEICを受け直すなどして英語の勉強を進めたかったのですが、ゼミの合宿準備やサークル活動などに追われてしまい、思ったように準備をすることができませんでした。事前準備は研修のイメージがわきにくいため進めることが難しい場合もありますが、絶対に行うべきことだと思います。
もう1つは、企業研修での電話応対のスピードが遅かったことです。相手側の都合もありましたが、やはり私の語学力不足などもあってか、電話応対のコミュニケーションのスピードが遅かったことが挙げられると思います。もう少してきぱきと進められていたら、また違う仕事もできたのかもしれません。
5、この研修は、どのように今後生きるか
今回の研修を通じて、2点、今後に活かしていきたいと思ったことがあります。まず一つ目は、自己分析です。私はアルバイトで接客業をしていますが、今回の研修ではデスクワークがほとんどでした。対象となる相手とは、電話やメールでのやりとりが多くなります。アルバイトでの接客業と研修でのデスクワークを通して、私は接客業の方が向いているのではないかという発見ができました。対人コミュニケーションが向いているのではないかという自己分析ができたことで、今後控えている日本でのインターンシップ活動や就職活動に活かすことができるのではないかと思います。
2つ目は、「働く」現場での実体験です。日本のインターンシップはその後の就職に直結しているイメージが根強く、1日で終了するものなどが多くあります。しかし、参加した研修では研修初日から説明もそこそこに、すぐに職場での仕事を進めることになりました。どのように仕事をやるのかということについて、身をもって体験できました。体験して感じたことは、仕事は、アルバイトの「働く」とはまた違う意味のものだということです。まだ就職活動が本格的になる前に、もし自分が会社に入社して働くことになったらどんな感じなのかというイメージを持つことができたことのメリットは大きかったです。そういった経験は、就職活動に活かすことができるのではと思います。
6、これから研修に行く人達へのメッセージ
これから海外へ留学やボランティア、または私と同じくインターンシップに参加するという人たちは、各自準備を進めていると思います。まず改めて考えてほしいことは、「自分の研修に行く目的は何なのか」ということです。目的が曖昧なまま、研修に行っても充実したものにはなりません。「自分はなぜ研修に参加したいのか」、ということをはっきりさせておくと、おのずと自分がやるべきことなども見えてくると思います。
また、研修中に起こった出来事などを日記に書き留めておくと、帰国後にも見返してみることができるので、おすすめです。実際に私も今回の研修にノートを持っていき、プログラムで得た情報などをメモしたり日記をつけたりしました。箇条書きでもよいので最低限今日何をしたかということを残しておくだけで、自分は何を感じたのかということなどを思い出すことができるし、今後の自分に役立てられると思います。