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実践メディアビジネス講座III 株式会社ウェザーニューズ 坂田真一氏 講演

2012年6月8日の実践メディアビジネス講座III には、民間で気象情報を扱っておられる株式会社ウェザーニューズ 坂田 真一氏にお話をいただきました。以下は受講した学生が提出したレポート(印象に残ったキーワードを挙げ、どんなことが考えたか、という設問)より抜粋したものです。

・双方向性
従来の天気情報は、気象庁が各自治体に情報を伝え、それがマスメディアを通じて市民に伝わるという一方向のシステムであったが、今では気象庁と市民の双方向性が図られている。ウェザーニュースでは、ウェザーリポートという会員がケータイから報告する天気リポートによって参加型のシステムを作り出し、その結果、レーダーだけではわからなかった雨雪情報判別も一目瞭然し、現地からのより詳しい情報を会員に提供できるようにしている。その他にもWNI交通気象センターがスタートしたことでサポーターと共に気象現象から交通機関の利用者の安全を守ることが出来ている。こうした通信との連携による参加型コンテンツによって双方向性のメディアとなり、情報提供側も情報の受けてもトクをする仕組みが出来上がっている。天気というのは誰にとっても必要な情報であるからこそ、誰もが関われるとソーシャルメディアの利点を生かしたこういった仕組みがとても魅力的だと思った。

・規制
天気という情報を伝えるにはまだまだ規制がかかっている。気象の測定も限られた範囲でしか観測できないし、気象庁より先に情報を提供してはいけないのである。”国民は国が守る”という国の意向もわかるが、だったら尚更速報性のある情報を提供すべきであり、このインターネットの時代においていつまでもそのスタンスでいては限界が出てくるのではないだろうか。誰もが必要とする情報である傍ら、それを提供できるのは限られた機関しかないのだから、国はいい意味でウェザーニュースを”利用”してもいいのではないかと思った。

・消費者参加型
消費者参加型という言葉はウェザーニュース最大の強みともいえるウェザーリポートのお話の中にでてきた言葉です。従来の天気予報は気象庁が晴れといったら晴れとしか表示できなかったことには驚きました。アメダスからスーパーコンピューターに情報を送り込んでの予報にはもう限界があると考えたウェザーニュースは、サイトに登録してくださったユーザーの方々の実際の、生の天気を募集し、それをもとに天気を予報するため、コンピューターの予報よりも正確に天気予報をすることができます。

・天気予報のパラダイムシフト
天気予報のパラダイムシフトが起きているということが印象的でした。
これまでの天気予報と言えば、気象庁から自治体、そしてマスメディアを通じて私たちのもとへと情報が流れてくるというものでした。しかし、今はスマートフォンなどを通じて情報を得るようになりました。さらに、私たちは単に情報を受け取るだけでなく、会員としてこちらからウェザーリポートを報告することができるということも分かりました。私の周りの友人でもこれを利用している人がいたので、とても身近なシステムに感じました。今後は私もこれに積極的に参加してみたいという気持ちになりました。現在のリポーター数は約23万人で、毎日かなりのリポート数があるということにもとても興味を持ちました。特に興味深いと感じたことは、ゲリラ雷雨防衛隊です。的中90%以上の確率でゲリラ雷雨を予測可能という点は驚愕しました。近年は特にゲリラ雷雨のような異常気象といわれる天候が多いので、ウェザーニューズのシステムに注目していこうと思います。

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