2012年7月20日の実践メディアビジネス講座III には、位置情報やAR(強化現実)などを駆使しVirtualとRealを融合した場づくりなどを手がける、株式会社クゥジットから三屋光史郎氏にお話をいただきました。
以下は受講した学生が提出したレポート(印象に残ったキーワードを挙げ、どんなことが考えたか、という設問)より抜粋したものです。
・行動履歴の収集
例えばナースにスマホを持ち歩いてもらい、緊急のナース会議や仕事への呼び出しに利用したり、”看護士とヘルパーでは立っている時間の合計が違う”ということから患者の配置の仕方の改善などの業務改善に役立てたりしているということで、非常に便利なシステムであると感じた。私の実家は病院を経営していて、父が自分たちの管理するナースの怠惰な勤務状況を嘆いている様子を何度か目にしたことがある。このシステムがあれば、手を抜いている看護士がいないかの状況も把握できるし、また患者さんを守る為の最適なベッドの配置が実現できるので、あとは費用対効果の面を考慮すれば、決して我が実家の病院とも無縁のシステムではないと感じた。
クウジットでのスマートフォンの役割は、コンテキストのためのセンターデバイスとコンテンツ消費のためのメディア媒体で、コンテキスト情報には、場所や時間、交通情報などの環境情報と、生年月日や性格などの属性情報、移動履歴やアプリ操作などの行動情報が含まれているそうです。やはりそれだけの情報が含まれていると容量が膨大になりすぎてしまい、サービスやコンテンツの最適化が困難になりやすいです。私のスマートフォンもよくそういった理由で固まってしまうことがあるので、そういった考えも含めてこれからも技術を開発してほしいです。スマートフォンが発達し、ほとんどの人々がスマートフォンを持っている今、このような困難に対応した技術が非常に重要になってくるのではないかなと思います。
・空(virtual)と実(real)を繋ぐ
スマホに注力しなくてもバーチャルの情報がより自然に入ってくる環境の実現を目指しているというお話があったが、これは、言われてみれば自分自身も以前から感じていたことだったので大きく共感した。確かに外で他人がスマホの画面をずっと眺めている様子を目にすると、「なんだか体験的に貧しいなぁ、せっかく外に出ているのに」と感じてしまうのだ。そういう意味ではAR広告などはそういった現状を打破するアイディアの一つなのだろう。実は私はまだAR広告を体験したことがないので、街中で意識的にそのような広告に対してアンテナを張って、実際にそれを体験してみて、そして今自分が素敵な未来へ進む過程に暮らしているという実感を持つ体験を積極的に積みたいと感じた。
スマートフォンなどが広く普及し、GPSの機能が一般的に使用されるようになったからこそ可能になったものであり、これから先もGPSの位置情報を使ったVirtualとRealを融合させたサービスは多く誕生すると感じた。また、VirtualとRealが融合することによって生まれる新たな可能性もあるため、この分野の発展をこれからも注意深く見ていきたいと感じた。
・ソーシャルグラフ×ローカルグラフ
同じものを体験することによって、ネット上にいる人と現実世界にいる人が同じものを共有するということになり、ネット上にいる人にとっては地図やサイト上でその場所の情報を得るよりもリアルでその場のその瞬間を感じることが出来るようになると感じた。その場所にいけない理由や事情がある人にとっても有用なサービスになると感じた。