あらすじ

クイズ戦隊小史

「クイズ」ということばは、18世紀末のアイルランドで、無意味な新語を流行させられるかどうかという賭けをした人が、町中に"quiz"と落書きをしたことに由来するとされる。

しかしクイズ自体、すなわちなぞかけで知恵や知識を競う行為の起源はそれよりはるかに古い。 現在知られているクイズの中で最古のものは、ギリシャ神話に出てくるスフィンクスのクイズである。

古代エジプトのフェキオン山にいたスフィンクスは、通りかかった人間に「朝は四本足、昼は二本足、夕は三本足。この生き物は何か?」というクイズを出し、答えられない者を食い殺したという。 しかしあるとき、旅人として通りかかったオイディプスがこのクイズを解くと、スフィンクスは崖から身を投げたと伝えられている。

スフィンクスが身を投げたのは、クイズがただの余興ではなく、命を賭けた闘いであったからに他ならない。このように、かつてクイズは、正統なる決闘の手段として使われてきた。当初は負けた側が自ら命を絶つという形式であったが、その後、血を流さない知的な決闘法として、広く行われるようになった。

古代ヨーロッパでは300以上のクイズ騎士団が存在したことが知られている。中世以降、彼らは異端としてたびたび弾圧されたが、主だった勢力は地下に潜り、その伝統を脈々と受け継いできたのである。 クイズで戦うことができるのは、難しいクイズを出されると、人はクイズで頭がいっぱいになり、他のことを考えられなくなってしまうからである。

体が大きく動作の遅いスフィンクスがやすやすと人間を食い殺すことができたのもそのためであるが、人体にこのような反応が起きる原因は長く謎とされてきた。

このしくみを脳科学、心理学及び情報工学の手法で初めて解明し、「クイズフリーズ現象」と名づけたのが、最古のクイズ騎士団として知られるシュバルツヴァルト・クイズ騎士団長の血を引くダイゴー・フォン・ピーネ・グリュンラント博士(1901-59)であった。

彼は、戦乱が続き多くの人々が日々死んでいくヨーロッパの状況を憂い、クイズで戦う古来の決闘法を用いた、血を流さない「高貴なる戦争」を提唱した。 しかしこの学説は当時の学界から無視され、クイズを使った戦争というアイデアも受け入れられることはなかった。

これを恨んだ彼は、以降「クイズ魔王」を名乗り、クイズフリーズ現象を悪用して、クイズで世界征服をもくろむようになったのである。

この動きに対抗するため、かつてのクイズ騎士団の血を引く者たちが立ち上がった。こうして組織されたのが、国際クイズ戦隊(IQF: International Quiz Force)、通称「へえそうナンジャー」である。

現在、国際クイズ戦隊本部は東京におかれている。彼らは代々ひそかに伝えられてきた正統なるクイズ戦の秘法を復活、その普及を図りつつ、クイズ魔王一味がたくらむ世界征服の野望を打ち砕くべく、日夜活動を続けているのである。